荻窪駅北口を出ると
すぐ右手に路面にはみ出すように
その店は、ある。
濛々と立ちこめる煙は
時に駅のホームにまで流れ込む。
人々は昼間から酒を喰らっても
景色と同化する事ができる場所だ。
俺はこの場所でアルバム何枚分かの
考えを叩き出してきた。
オジイチャン達と同化しながら。
その焼鳥店も八月一杯で移転だ。
北口駅前はどの街にもあるような
ツマラン顔になるんだろう。
それはあたかも
確実にツマラン方へ進み行く世の中の嗜好と
比例するかの様だ。
八月一杯はやってるそうなので
古き良き時代の残り香を
味わうのも一興かと思うよ。
行ってミ。
そんな故郷みたいな場所でも
結局俺はトラブルを起こしてしまう。
だから一足お先にさよならだ。
随分、控えめに大人しく、
飲んでたんだがなあ。
いやはや、情けない。
さようなら。
長らくお世話になりました。
次なる思索の扉を求めて
新たなる徘徊の日々の幕開けだ。
