ポケットの中に、 どうしても捨てたい百円玉がある。
そこらの側溝に捨てるわけにも行かねえので、 近所の神社で、 ぶっ千切れるほどに鈴を振り回して、 それから、 そっと賽銭箱の中に、 その百円玉を捨ててきた。
俺にとって、 神様はそんな時にだけ必要だ。
なんとでもいえ。 俺は今日も、 そんな風にして生きている。