何年も同じ場所に放ったらかしてあった文庫本を、 なんとなく引っ張り出して開いてみると、 なんだか酸っぱいような臭いがする。 そして、顔が痒い。 1ページ読み終わらないうちに、 とても顔が痒くなってしまった。 触れている手も痒い。 カビてんのかなあ。 あるいは、 著者の憂鬱が時空を超えて伝播しているのかもしれない。
東京地方は今日、梅雨明けした。 虫干しがてら、 放ったらかしの本を あれこれ引っ張り出して読もうと思う。