2013年1月22日

夕刻。
赤いランドセルのチビスケが俺を追い越して行く。
三歩走ってピョンと飛ぶ。
また三歩走ってピョンと飛ぶ。

チビスケ。
それはスキップではないぞ。
それでは「三歩分の助走後のジャンプ」だ。
スキップとは、
「タッカタッカタッカタッカ」のリズムで、
かわるがわる片足で飛び跳ねながら進む事だ。

俺は44年の人生の間に完璧にそれを習得した。
チビの姿が見えなくなってから、
ひとり小さくスキップする中年男を、
すれ違いざまの奥さんが嫌な顔をして見ていました。