気持ちがガサガサしてきたら、 木山捷平の本を読むことにしている。 そうすると、 窓のない部屋のようにじっとりと鬱いだ気分に、 スーッと風が通るように感じる。 すごいなあ。 読んだことのある話をもう一度読んでも、 やっぱり新鮮な風がスーッと通る。 たすかるなあ。
とぼけたような、 飄々とした風合いの奥底に、 テコでも動かない強固な反骨精神が、 がっしりと据えられている。
軽さと反骨は矛盾しないんだなあ。 そんな風になれねえもんかなあ。