2013年1月9日

野良犬ギターは無事、女子中学生に手渡され
持参の可愛いケースに収まって貰われて行った。
お礼にとても美味いピザと生ビール2杯。
それから清酒二升。
青春の余韻諸共、飲み下す事とする。

思えば兄貴のお下がりのトーカイのエレキギターを
コードも知らないままアホみたいに叩き鳴らしながら
隣の吠えまくる犬を相手に喚き散らし始めたのは
丁度十五歳、彼女と同じ年頃の時であった。
あの頃の俺はそうする事だけが生きているギリギリの証で
ノイズで全人類を討ち滅ぼしてやるのだ、と、真剣に考えていた。
一音一音が皆殺しの機銃掃射の音であった。
ギターを武器にしたキワキワの攻防。
それは今も尚、継続中だ。

高校をさっさとドロップアウトした俺が
何度も仕事を怠けてクビになりつつも
どうにかこうにか自分自身の稼ぎで初めて買ったのが
このギターだ。十九歳。
もっと違うようなものが欲しかったのに
狸小路にあった吉田楽器のババアに言いくるめられて
訳も判らずに買ってしまったのだ。
思いのほか融通が利かない野良犬で
素朴で真っ直ぐな音が出るには出るが
欲しかったキラキラ感が全然ダメで
仕方がないからバンドの音楽性自体をギターに合わせて変えて行った結果が
現在につながっている。
そして俺はコイツを一本だけ抱えて東京にやって来た。
あれから二十余年!
朝、元気!昼、まあまあ!夜、グッタリ!(きみまろ風に)
元々、真っ白だったのだけれど
なんだか黄ばんでジイサンの入れ歯みたいな色になった挙句に
表面のラッカー塗装がボロボロに剥げ落ちてしまった。
そして女子中学生に貰われて行った。
彼女がバンドなどを組む段となったアカツキには
バンド内で強烈に「浮く」のは間違いない。
例えるならば
同年代同士のグループデートの中で
一組だけ彼氏がオジイチャンではないか!
というような事になるのだ。
ムハハハ。おませさんね。

そして食卓の上にドンドンと一升瓶が二本。
ヤツは清酒に化けた。グッジョブ野良犬!
野良犬とカワイコちゃんのカップルに乾杯、だ。
気長に、でえじにしてくんな。