2013年1月14日

明け方にパタパタと窓を打っていた雨音が聴こえなくなったなあ、
と、思ったら雪が降っていた。
結構、しっかりガッツリ降っている。
こりゃ積もりそうだなあ、と思って座っていると、
外でバキバキッ!という音がして、
覗いてみると、
すぐ向かいに立っていた木がボッキリと折れている。
雪の重みで折れたのだろうか。
木がへし折れるほどの雪かよ。
東京の木は根性がねえなあ、と思いながらも、
こうなってしまうとなんだか可哀想なような気持ちにもなる。
雪は止みそうにない。

青いソフトにふる雪は
過ぎしその手か、ささやきか、
酒か、薄荷か、いつのまに
消ゆる涙か、なつかしや。
(北原白秋/青いソフトに)

東京の雪はボタボタと重い雪。濡れる雪。
雪にも微かに匂いがあって、
雪国の人間はそれを嗅ぎ分ける事が出来る。
思いがけず東京で嗅ぐ故郷の匂い。
物音は雪に吸われて通りはひっそりとしている。

降り籠められて、
窓の外の雪の気配を肴にイッパイ。
日が暮れるにはまだ間があるけれども、
かまうものか。